なう

なう
I
なう
(助動)
〔上代東国方言〕
動詞の未然形に付いて, 打ち消しの意を表す。 …ない。

「さ衣の小筑波嶺(オヅクハネ)ろの山の岬(サキ)忘ら来(コ)ばこそ汝をかけ〈なは〉め/万葉 3394」「月日夜(ツクヒヨ)は過ぐは行けども母父(アモシシ)が玉の姿は忘れせ〈なふ〉も/万葉 4378」

〔この語の成立については, 上代における打ち消しの助動詞「ぬ」の未然形「な」に継続の助動詞「ふ」が付いてできたものといわれ, また, 中世末期から関東方言として出現する助動詞「ない」と関連あるものかともみられている〕
II
なう
[ナフ](動ハ下二)
足や手に故障があって, 自由に動かせない。

「足~・へたるものの, はふはふゐざりつつ/唐物語」

III
なう
[ナフ](接尾)
〔動詞四段(下二段)型活用〕
名詞・形容詞の語幹などに付いて, 四段(時に下二段)活用の動詞をつくる。 その行為をする意を表す。

「あき~・う(商う)」「うべ~・う(諾う)」「とも~・う(伴う)」「あま~・う(甘なう)」

IV
なう【綯う】
糸や藁(ワラ)などをより合わせる。 より合わせて一本の紐(ヒモ)や縄を作る。 よる。 あざなう。

「泥棒を捕らえて縄を~・う」


Japanese explanatory dictionaries. 2013.

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